2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

#23 中国と世銀連合―世界最大規模の温暖化ガス取引が成立

中国の化学メーカー2社と世界銀行を中心に民間企業11社と組織したグループが温暖化ガス削減を取引することで合意した。その取引額は約1200億円とこれまでの温暖化ガス取引額では通常の倍と過去最高額となった。温暖化ガス取引は、京都議定書によって国単位で…

#22 BMW大学

世界の自動車メーカーが工場や研究拠点を続々と設けているサウスカロライナ。南部のデトロイトと呼ばれている。ここの州立大学クレムソン大学がサウスカロライナに進出しているBMWとこれまでの産学連携を越えた提携関係を築きつつある。クレムソン大学はサウ…

#21 ミシシッピーの住居鉄筋化計画

昨夏のハリケーンカトリーナの影響は多方面に及んでいる。そして、この復興の1年、いろいろな分野でCSRを取り入れたビジネスチャンスが生まれている。その一つがカトリーナによって崩壊、浸水した住居の鉄筋化だ。世界最大の鉄鋼会社ミタルはミシシッピー州…

#20 富士写真フィルムUSAのCSR:米国乳がん予防・治療支援団

浅薄な私は、フジカラーが米国乳がん支援団体(National Breast Cancer Foundation)に社会貢献、というプレスリリースを読んだとき、まず「?」という思いを抱いてしまいました。フジカラーというと日本を代表するフィルムメーカーで、アメリカにおいてもコダ…

#19 深刻化する児童労働

「売春をしながらAIDSにかかってしまったとしても、貧しくて何も食べられない状態で餓死するよりも、長生きできる。」 こんなショッキングな言葉であらわされるほどアフリカの児童労働の現状は悪化している。世界的には国連や関連組織の国際労働機関などの働…

#18 M&AとCSR:ライトエイドの事例

アメリカの大手ドラッグストア・チェーンのライトエイドが大型の企業買収と全米規模の社会貢献活動のニュースが同日にあった。ライトエイドは全米27州で3,320店舗を展開する大手ドラッグストア・チェーンの一角である。このライトエイドがカナダ系で米東海岸…

#17 中国:急成長とクリーンウォーター不足

急成長を遂げる中国経済では現在水不足と水質の悪化が大きな問題となっている。急成長で水の利用が増したこともあるが、財政的に効率的な水道管インフラの整備が間に合わないためだ。毎年東京都の人口と同じ数の人々が地方から都市部に移住してくる。さらに…

#16 サプライチェーンの多角化でビジネスチャンス

CSRの一部であるステークホルダーエンゲージメント。その中でも、グローバルに活躍する製造業は、原料・部品などのサプライヤーとの関係がとても重要である。これまで株主や投資家は企業が原料・部品調達先を地方に根ざした中小サプライヤーにまで拡げる…

#15 ソーシャルアントレプレナーの野望: IT起業家がルワンダをア

ボストン出身のIT起業家グレッグ・ワイラーは3年前に友人の結婚式で同席したルワンダ政府の役人からルワンダに招待された。そこからグレッグのソーシャルアントレプレナーの旅は始まる。3年前まではルワンダはおろかアフリカにさえ行ったことがなかった…

#14 ヤフー、マイクロソフト、グーグル、スカイプ、、中国政府の情報

世界的な人権擁護NPOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が、西側インターネット情報会社の多くが中国政府が打ち出しているインターネット検閲(グレート・ファイアウォール)に協力している、と指摘している。さらにHRWは、これらの協力してい…

#13 デル流CSR:家庭崩壊・生活危機に陥る若いシンガポーリアンに

ソニー製のパソコン電池に発火性があるとしてパソコン関連機器のリコールとしては最大規模のリコールを行うことを発表したデル。現在使用しているパソコンがデル製2台目で、これまでのところ長時間オン状態にしていてもとくに発火の危険を感じるようなこと…

#12 ニューヨークマンハッタン-高級アパートもエコ革命

NYマンハッタンのアパートにもグリーン/エコの波は押し寄せているようだ。少なくとも6つのアパート(日本でいうマンションに相当するものも含む)がエネルギーの効率化・再生利用を重視し、そして環境に優しい原材料で建築されている。各アパートの場所は…

#11 ウォルマート、フェデックス、CSRとNPO

よく環境問題などで耳にするのは京都議定書に参加している日本・ヨーロッパと参加していない米国で各国の企業の環境への取り組みが違う、ということである。参加している日本やヨーロッパの国の企業は環境問題に「真剣」に取り組んでいるが、参加していない…

#10 夏休みお薦めの一冊 CSRと死体「死体闇取引」

今回はお盆前の金曜日なので、夏休みお薦め本を紹介したい。紹介する本は原題が「Body Brokers」、著者はAnnie Cheneyという女性ジャーナリストである。日本でも先月、早川書房から「死体闇取引」として日本語版が発刊されている。早川書房というとミステリ…

#8 HIV/AIDSとCSR

グローバルな視点からみるとHIV/AIDS問題とCSRは切り離せない関係である。日本では感染者が少ないこともありHIV/AIDSが社会問題化していないが、世界的にみると発展途上国を中心に年々深刻さを増している。 8月13日(日)からカナダのトロ…

エチオピアの雑草が代替エネルギーの救世主に

アフリカの中でも貧しい国に入るエチオピア。民族やイデオロギーの対立で内戦、ソマリアなどの隣国との衝突が絶えないエチオピアだが、イギリスのバイオベンチャー企業が、エチオピアの化学者と組んでエチオピアで育つ雑草「ベルノニア」の代替エネルギーと…

#6 CSRケーススタディ1 ハビタット・フォー・ヒュマニティと金融

今日は地域社会貢献の一例を取り上げます。今後もこのような具体例を紹介していきたいと思います。まず、今日のケースは積極的なステークホルダーの存在です。場所は、アメリカ東部の大都市フィラデルフィア北部。フィリー・ソウルで代表されるようにアフリ…

代替エネルギーは海底から:石油価格上昇で再注目される潮

世界的なエネルギー価格の上昇が止まらない。ある著名投資家が原油価格は1バレル100ドルになると強気の予想をしていたが、現状を判断する限り、早期に実現しそうな感じである。 そんな中、従来の化石燃料ではなく農作物や自然の力を利用してエネルギーを…

富の還流:ビジネススクール史上最大級の寄付金

アパレル・ブランドとして世界的に有名なNIKE(ナイキ)の創業者フィリップ・ナイト氏が母校のスタンフォード大学ビジネススクールに$105百万(約120億円)の寄付を行うと発表した。この寄付の大半($100百万)は同ビジネススクールに建設される新しい…

CSR製ジーンズ

イギリスの大手百貨店マークス&スペンサーがフェアトレードが認定する生産過程を経て生産されるジーンズを販売していくと発表した。これまでマークス&スペンサーはフェアトレード認定の紅茶やコーヒー、Tシャツなどを販売してきたが、売上が好調でジーン…

俳優レッドフォード、資産家バフェットのいとこ、そしてサンタ・フェ

「パインツリー、保存かリサイクルか 悩むサンタ・フェ住民」 ウォールストリートジャーナルオンライン版 2006年7月31日 要約 アメリカのニューメキシコ州サンタ・フェ。この地域を代表するパインツリー(松の木)がここ数年の激しい干ばつで多数立ち枯れを起…