#6 CSRケーススタディ1 ハビタット・フォー・ヒュマニティと金融

今日は地域社会貢献の一例を取り上げます。今後もこのような具体例を紹介していきたいと思います。

まず、今日のケースは積極的なステークホルダーの存在です。場所は、アメリカ東部の大都市フィラデルフィア北部。フィリー・ソウルで代表されるようにアフリカ系米国人や移民が多く住んでいる典型的なアメリカの大都市です。ここの貧困層向けの住居を、国際的に低所得者層の住居建築を援助しているNGOハビタット・フォー・ヒューマニティのフィラデルフィア支部が、地元住民、政府、民間企業の協力を得ながら建築していく、というプロジェクトです。今回の地域貢献イベントでは、2世帯住宅1棟の建築が現地8月5日に行われました。

 政府・公共セクターからは、連邦政府の上下院議員、ペンシルバニア州議員、ペンシルバニア州州知事管轄の住居と地区再生事務局、そしてフィラデルフィア地区センターからこのプロジェクト支援で参加がありました。民間企業からは、大手保険会社エースと大手商銀ワコビア銀行のフィラデルフィア地区から60名の従業員がこのプロジェクトに参加しました。

 フィラデルフィアをはじめとするアメリカの大都市では、貧困層地域の生活環境の悪化が大きな問題になっています。このような問題に本格的に取組まないと、貧困層地域だけの問題ではなくなり、環境悪化や犯罪の多発といった都市問題に発展してしまいます。昔から所得格差の激しいアメリカの大都市は地元行政が率先して取組んできましたが、財政上の問題で継続的な取組みができていないのが現状です。このようにノウハウを持つNGOやリソースを持つ民間企業と一緒に取組んで、地元の社会問題を解決していくことができるようになれば、貧困層の住民だけでなく、周辺地区の住民、および都市全体にとってプラスになっていくことでしょう。

参考資料 「金融サービス円卓会議-ハビタット・フォー・ヒューマニティ コミュニテイ建築デイ」
Reference "Financial Services Roundtable - Habitat for Humanity Community Build Day, Habitat for Humanity, Business Wire