#16 サプライチェーンの多角化でビジネスチャンス

CSRの一部であるステークホルダーエンゲージメント。その中でも、グローバルに活躍する製造業は、原料・部品などのサプライヤーとの関係がとても重要である。これまで株主や投資家は企業が原料・部品調達先を地方に根ざした中小サプライヤーにまで拡げることをCSR的に良い事、としてしか見ていなかったが、最近は、中小サプライヤーとの関係がこのようなプロキュアメント(調達)のバリューを向上させる、という評価になってきている。アトランタのビジネスコンサルタントであるハケット・グループによると、サプライヤー多角化・分散している企業のリターン(サプライヤー開発に係る投資に対する投資収益)がそうでない企業を133%上回っている、ということを示した。Hackettによると、ワールドクラスのグローバル企業になればなるほど、サプライヤー多角化・分散を行い、サプライチェーンの効率化を事業収益の向上に結び付けている、と述べている。中小サプライヤーには女性の家内仕事やMinority人種(アフリカン・アメリカン、アジアン、ヒスパニック、アメリカンインディアンが含まれる。以前は、これらの中小サプライヤーを使うことは地域社会的に貢献するが、会社の収益には貢献せず、かえって品質管理上のコストがかかる、という見方が大半だったが、この見方は大きく変わってきているようである。質的にも問題なく、さらに競争力のある価格を提示できるこれらの中小サプライヤーが増えてきており、直接大企業がコストカットやアウトソースで中小サプライヤーを使わなくても、仕事を請け負った中間業者がこれらの中小サプライヤーを効率的に運用している流れが起きている、ということである。
グローバリゼーション、というのがまた別のCSRの一部分を構成している。経済の自由化、ITの発達、調達先のグローバル化で、グローバリゼーションは発展途上国にとって機会を与える有効な考え方である。それは企業に最適なサプライヤーを選ぶ手段を与えたと同時に中小のサプライヤーにとっても大企業と仕事ができる機会を与えている。お互いの利害が一致しているわけだが、この一致が一時的なものなのか継続性のあるサステイナブルなビジネス関係に発展するのか、企業とサプライヤーの継続的なコミュニケーションが必要になるのであろう。

参考記事「サプライヤー多角化CSR以上の価値を生み出すことも」ウォールストリートジャーナル
Reference Article: Steven D. Jones, “Benefits of Supplier Diversity May Go Beyond ‘Social Good’”, August 21 2006, WSJ.com, Dow Jones & Company, Inc



CSRの一部であるステークホルダーエンゲージメント。その中でも、グローバルに活躍する製造業は、原料・部品などのサプライヤーとの関係がとても重要である。これまで株主や投資家は企業が原料・部品調達先を地方に根ざした中小サプライヤーにまで拡げることをCSR的に良い事、としてしか見ていなかったが、最近は、中小サプライヤーとの関係がこのようなプロキュアメント(調達)のバリューを向上させる、という評価になってきている。アトランタのビジネスコンサルタントであるハケット・グループによると、サプライヤー多角化・分散している企業のリターン(サプライヤー開発に係る投資に対する投資収益)がそうでない企業を133%上回っている、ということを示した。Hackettによると、ワールドクラスのグローバル企業になればなるほど、サプライヤー多角化・分散を行い、サプライチェーンの効率化を事業収益の向上に結び付けている、と述べている。中小サプライヤーには女性の家内仕事やMinority人種(アフリカン・アメリカン、アジアン、ヒスパニック、アメリカンインディアンが含まれる。以前は、これらの中小サプライヤーを使うことは地域社会的に貢献するが、会社の収益には貢献せず、かえって品質管理上のコストがかかる、という見方が大半だったが、この見方は大きく変わってきているようである。質的にも問題なく、さらに競争力のある価格を提示できるこれらの中小サプライヤーが増えてきており、直接大企業がコストカットやアウトソースで中小サプライヤーを使わなくても、仕事を請け負った中間業者がこれらの中小サプライヤーを効率的に運用している流れが起きている、ということである。
グローバリゼーション、というのがまた別のCSRの一部分を構成している。経済の自由化、ITの発達、調達先のグローバル化で、グローバリゼーションは発展途上国にとって機会を与える有効な考え方である。それは企業に最適なサプライヤーを選ぶ手段を与えたと同時に中小のサプライヤーにとっても大企業と仕事ができる機会を与えている。お互いの利害が一致しているわけだが、この一致が一時的なものなのか継続性のあるサステイナブルなビジネス関係に発展するのか、企業とサプライヤーの継続的なコミュニケーションが必要になるのであろう。

参考記事「サプライヤー多角化CSR以上の価値を生み出すことも」ウォールストリートジャーナル
Reference Article: Steven D. Jones, “Benefits of Supplier Diversity May Go Beyond ‘Social Good’”, August 21 2006, WSJ.com, Dow Jones & Company, Inc