人権問題で国際的なガイドラインづくり

国連のビジネスと人権委員会の議長でハーバード大学教授のジョン・ラッギ教授が民間企業などが中心に実施している人権問題に関する自発的なガイドラインについて報告書をまとめた。汚職や環境問題に比べてルール作りの遅れている人権問題であるが、発展途上国でエネルギー資源を採取するエネルギー業界が率先して人権・労働環境整備に向けた指針づくりをしている。ラッギ教授としては業界を超えたガイドライン作りには至っていないが、ベストプラクティスとしてエネルギー業界の取り組みを高く評価している。
そして、この委員会の議長の任期が今年で切れるラッギ教授であるが、国連内外から任期延長の声が高まっている。この報告を持ってラッギ教授は最終報告にしているが、関係者はこれからの土台作りにリーダーシップを発揮してもらいたいと願っているようである。日本のCSRではあまり触れられない人権問題であるが、グローバリゼーションの中、避けて通れない課題である。日本企業の中からも積極的な企業が出てきてほしい。

Reference: Bill Baue, "Ruggie Report Says Voluntary Human Rights Initiative Set Stage for Binding Global Standards", March 19 2007, SocialFunds, SRI World Group, Inc.