スウィッチングコスト

番号ポータブル制やパスモなど消費者にとって利便性の高まるサービスが増えてきており、消費者に良い環境になってきている。しかし、まだまだ多くのサービスでリピート率を増加させるために囲い込みサービスが提供されている。想像していたものよりも悪い商品やサービス内容だけれど、別のものに乗り換えるスウィッチングコスト(金銭および非金銭的コスト)は頭痛の種である。たとえばインターネットプロバイダーや銀行や証券口座など解約するために煩わしい手続きが必要になる。
CSR的にはどうなのであろうか。場合によっては事故などに結びつく商品などを提供するメーカーと異なり、金融や通信のサービスは顔が見えないサービスである。消費者との信頼関係がなかなかつくりづらい。なおさら、消費者と顔のみえるようなエンゲージメントが必要と思うが、実際にはあまりできていないのが現状である。一回契約してしまうと、いろいろなペナルティがあり、スウィッチングコストだけで1年分のサービス費と変わらないというものも多くある。いろいろな垣根がなくなっているなか、スウィッチングコストも低下し、本来のブランド力とCSR力で勝負する時代になってもらいたいものである。

Reference: Tim Harford, "Undercover Economist: Swap Shop", March 16 2007, FT.com, The Financial Times Ltd.