#28 グリーンランキング:日本企業ここでも。。。

有害な化学物質の使用状況および使用済み製品の回収やリサイクル活動の進捗度合いを国際NGOグリーンピースがグローバル企業14社の状況を調査しそのランキングを発表した。そのランク付けされた14社は世界で活躍する次の携帯・PCメーカーである:Lenovo, Motorola, Acer, Apple, Toshiba, Fujitsu-Siemens, Panasonic, LG, Sony, Samsung, Sony Ericsson, HP, Nokia, and Dell。この携帯・PCの世界的なメーカーの中において日本企業の位置づけは。。。Toshiba(3/10)、Fujitsu-Siemens(3/10)、Panasonic(3.3/10)、Sony(4.7/10)そしてSony/Ericcson(5.3/10)であった。右の括弧内の数字は合計得点10点満点中の獲得点数をあらわしている。したがって、半分以上の点数を上げた日本企業(スウェーデンエリクソンとの合弁企業だが)はソニーエリクソンのみである。順位でいうと、東芝富士通シーメンスが9位、パナソニックが8位、ソニーが6位、そしてソニーエリクソンが4位であった。14社を国別にみると日本企業(除く合弁会社)が3社、米企業4社、中国企業1社、台湾企業1社、韓国企業2社、フィンランド企業1社、そして日本企業が合弁会社として関わっている企業2社となっている。依然としてこの分野における日本企業のプレゼンスは大きい。しかし、点数やランクからすると残念な結果と思わざるを得ない。CSR的にも、これまで日本の企業は環境問題への対策やリサイクルについては世界的にみて先行している、とくに今回の調査対象となったエレクトロニクス分野についてはその代表である、と多くの人々が考えていただろうから、この結果は意外であり、非常に残念である。NokiaDell、HPといった特定の商品・市場のリーディング企業はこのような調査でもトップ集団を形成している、ということが残念な気持ちに輪をかける。
最近は日本の製造業の品質が低下している、というニュースや記事に触れることが多い。実際にリコールや全品回収といった記事がほぼ毎週のように掲載されている。品質そのものに問題があるというケースもあるにはあるが、もう少しステークホルダーであるサプライヤーや小売店、消費者、NGOなどとのコミュニケーションをとっていれば大きな問題にならずに済んだケースも多くある。品質問題や製品の出荷延期を公けに発表することによって生じるリスクよりも、きちんと社内外のステークホルダーとコミュニケーションを取る事によって最小限にそのリスクを抑えることが可能になるのではないだろうか。CSRを本業に活かしていく、というのはこのようなことを指すのであろう。


参考記事
「グリーンエレクトロニクス・ガイド」グリーンピース
Reference Article “Your Guide to Greener Electronics”, August 25 2006, Greenpeace